「漢字音読名人」の取組
  ルビ付き表記の文を読むことにより漢字を読む力を育てる教材「漢字音読名人」を作成し、平成28年度から取り組みを始め、今年で5年目になります。実践協力校は、滋賀県各地に広がりつつあります。
 
 当該学年に配当されている漢字1字につき、音読み・訓読みの3例文、4つの漢字で1セットになっています。例文には当該学年より上学年の漢字や常用漢字もルビ付きで表記しています。
 すべての漢字にルビが振ってある「読んでみよう」編で音読練習し、読めるようになった漢字のルビは塗りつぶしていきます。そして読む自信がついたら、当該学年までの漢字のルビを消した「確かめよう」編を使って、友だちに聞いてもらい、合格のサインを三人もらえたら次に進めるというルールにしてあります。
 
 29年度は市内7校、合計838名の子どもたちが漢字音読名人に取り組んでくれました。
 2学期末にアンケートを実施し、子どもたちの感想を集約した結果、 720人(86%)が「楽しく取り組めた」と答えてくれました。

 
「楽しさ」の理由については次のように答えています。

①易しい・どんどん進める・達成感がある

・どんどんかんじをおぼえられてはやくいえるから  
・できたとき、たっせい感があったから
・まちがえたらテストとちがってくり返しできる 等

②友達同士でやるのが楽しい
・いろんな人と交流しながら漢字がおぼえられて楽しかった
・友だちと読みあったりして楽しかった
・みんなに聞いてもらって仲がもっと深まったから
 
 「漢字音読名人をやってよくなったことがある」と答えた子は732名(88%)であり、「よくなったと思うことは何ですか」という問いに対して、複数回答で答えてもらったところ、次のとおりの結果になりました。

 
  注目したいのは、「読書が好きになった」と答える子が半数いるということです。令和元年度、同じく漢字音読名人に取り組んだH小2年でも、下記のようなアンケート結果が出ています。
 

 この実証研究を進めるに当たり、「漢字が読めるようになれば、読書力も向上するであろう」という仮説を立てていたのですが、そのことを裏付けるものであるといえます。
 漢字音読名人と読書活動がリンクすれば、今後更に子どもたちの漢字を読む力が加速されることが期待されます。