漢字の教育でなく、言葉の教育
 
 先生方や保護者から度々聞くことがらに、「知っている字なのに、作文で使わない(使えない)」というものがあります。これは、漢字を単体の漢字として何回も書かせて覚えさせようとする現在のような漢字指導をしていたら、ある意味では、当たり前ではないしょうか。英語で、いくら単語を覚えても、英作文がとても難しかった経験をお持ちだと思います。いくら単語を知っていても、どういう文脈でその単語を使うのか判然としない、特に意味がよく似ている単語や、haveやtakeなど、基本的な単語で使い方の分からないものがとても多い。それは単語としてのみ覚えることの限界だと思います。

 従ってこの当該教材では、単体の漢字は意味を持つワード(word)であり、文脈の中で使われて初めて意味が発揮される言葉として扱うことで、言葉の定着を図ろうとしています。それと同時に、その言葉の主要構成要素としての漢字を、活用も含めて使用法を覚えてもらおうとしているのです。その方が、生きた漢字の覚え方ではないでしょうか。